Abyss
2026 | Interactive installation
ディスプレイ, ウェブカメラ
本作品は、画面をある程度の時間凝視し続け、そこに生じる「渦」を見つめることで、自分自身の心象風景としての「空間」を創り出すことはできないだろうか、という問いから始まりました。
着想のきっかけとなったのは、NASAの探査機「ジュノー」が捉えた木星のジェット気流、「ジュピター・アビス(Jupiter Abyss)」です。「アビス(深淵)」の名が示す通り、それは中心部が極めて暗い渦を巻いています。
人工衛星やカメラ、画像といった媒体を通じて木星の大気を観測することはできますが、未だ不明な点も多く、人類にとってそこは依然として深淵です。その底知れない奥深さを湛えた「ジュピター・アビス」の様相は、言葉としての「深淵」が持つ意味合いと重なり、人間の感覚に深く響くものがあるように感じられます。画面(カメラ)を覗き込むと渦が回転し始め、見る者を催眠状態へと誘うような映像が生まれます。